「あん」樹木希林さんの最後の主演作

映画
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「あん」解説

「あん」は、2015年5月30日公開の日本・フランス・ドイツの合作映画。監督・脚本は川瀬直美さん。第68回カンヌ国際映画祭に出品。2013年2月に出版されたドリアン助川さんの小説を河瀨直美監督が映画化しました。

昔、らい病と呼ばれていたハンセン病。差別や病気への無理解を題材にした映画で、どら焼き屋が物語の舞台。「生きていく意味」を考えさせられる映画です。出演は吉井徳江役に樹木希林さんが主演。千太郎役に永瀬正敏さん。ワカナ役に内田伽羅さん。内田伽羅さんの父は、本木雅弘さん。つまり叔母と孫の共演という注目された作品でもあります。ワカナの母親役に水野美紀さん。他、浅田美代子さん。本映画が、樹木希林さんの最後の主演作となりました。

「あん」予告編

映画『あん』予告編

「あん」あらすじ

桜並木沿いにある、どら焼き屋「どら春」。単調で張りのない毎日を送る店長の千太郎は過去に人に障害を背負わせるような事件を起こし、今もその影響から借金を背負い自分らしい生き方が出来ないでいました。借金を肩代わりしたどら春の先代オーナーとの縁で、雇われ店長となります。どら焼き屋の常連のワカナ。ワカナにもまた、普通とは違う家庭環境の境遇でした。ある日、店の表に貼ってあるアルバイト募集のチラシを見て、徳江が懇願するところから映画は始まります。千太郎は歳を取りすぎている徳江を雇おうとはせず、時給が安いからと適当な理由を付けて断ります。しかしそれでも食い下がる徳江は、千太郎に自分が作ったどら焼きの“あん”だけを渡し立ち去ります。それを食べた千太郎は、あんの美味しさに衝撃を受けます。自分が作るどら焼きのあんは、業務用の既製品だったのです。逆にあん作りをお願いする格好になった千太郎。千太郎は徳江が小豆の気持ちや小豆の声に耳を傾けながら、手間と時間をかけてあんを作る姿勢が理解できませんでした。千太郎は、手が不自由な徳江のあん作りの助手として学んでいきます。そしてその甲斐あって、あんが美味しいと評判になり瞬く間に繁盛店になるのです。徳江との事で、ワカナも千太郎や徳江と親しくなっていきます。ある時、どら焼き屋で働いている徳江が過去にライ病(ハンセン病)を患っていた噂が広がります。千太郎は現オーナー(浅田美代子さん)から、徳江を解雇するように言われてしまいます。憤る千太郎はそれでも徳江の人柄から雇い続けようとしますが、噂からお客がパッタリと来なくなってしまいます。さすがに葛藤する千太郎。徳江は自分がらい病(ハンセン病)を患った事があるが故に、お客が来なくなったことを察知し自ら身を引きます。千太郎はワカナと、徳江の住む隔離されたハンセン病患者の療養所へ行き、徳江に会います。そこでは、同じ境遇の人が楽しく過ごしている光景があるのです。

徳江が経験してきた悲しすぎる過去。現代においても世間の無理解があり、その壁を超えることができないつらい現実を改めて知ります。病気であろうが、無かろうがみんな意味を持って生まれてきた事を、徳江から身をもって学ぶ千太郎とワカナ。

その後、どら春は、オーナーの甥に実質乗っ取られる事に。徳江のおかげで生きる意味を感じた千太郎は、過去の過ちで超えれなかった壁を越え自分の人生を生きようと、動き出すのです。

映画情報

2015年制作 上映時間:113分 配給:エレファントハウス 監督:河瀨直美

原作:ドリアン助川(原作):作家。放送作家時代は、本名助川哲也を名乗るも威圧感を与える自らの風貌を自虐的にドリアン助川と名乗るようになる。2013年にポプラ社から「あんを刊行。

世界45か国で上映。国内77スクリーンで公開。2015年5月30日31日の初日2日間で興行収入約4,000蔓延超になり、映画観客動員数ランキング11位。

主演の樹木希林さんが2018年9月15日に亡くなられた際に、樹木希林さんの追悼上映の希望が上がり、再上映が行われました。

追悼上映は2015年の公開時を上回る90スクリーンで上映されました。

第39回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞(樹木希林)

第37回横浜映画祭 主演男優賞(永瀬正敏)

サンパウロ国際映画祭 観客賞

コーク国際映画祭 観客賞

監督

河瀨直美:大阪写真専門学校映画科卒業。「萌の朱雀」で映画デビュー。同作品がカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞。「殯の森」がグランプリ受賞。

「あん」出演

吉井徳江:樹木希林

(命・東京タワー・万引き家族・日々是好日 他多数)

千太郎:永瀬正敏

(ミステリートレイン・隠し剣 鬼の爪・息子 他多数)

ワカナ:内田伽羅

(奇跡・あん)

どら春オーナー:浅田美代子

(時間ですよ・さくら・新選組 他)

佳子:市原悦子

(シャボン玉・翔んで埼玉・うなぎ 他多数)

ワカナの母:水野美紀

(おじいちゃん、死んじゃったって・オボの声 他多数)


「あん」樹木希林さんインタビュー

樹木希林/映画『あん』インタビュー

まとめ

落ち着いた雰囲気で物語が進み、樹木希林さんと永瀬正敏さんの、絶妙な表現がリアルで心を打ちます。徳江さんが、アルバイト希望を申し出てきた時の千太郎の、どこか面倒臭そうなところや、過去の過ちがあるが故に自分らしく生きられないことに苛まれながら生きる千太郎が表現されています。徳江が、アルバイトとして雇ってもらえるようになって喜ぶシーンや、自分が原因でお客が来なくなったことを自ら察知し、自ら徳江がどら春を後にするシーンは、徳江の何とも言えぬ気持ちが表現されていて、とても切ない気持ちにさせられます。

映画では、過去も現代においても謂れのない差別を受ける元ハンセン病患者である徳江が、生きていく意味や尊厳を失わず生きようとする姿が表現されています。また、千太郎が徳江を通して変わっていく姿が描かれています。

どこかもどかしく、切ない。でもどうあるべきかを考える作品です。

AmaZon
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