ゴッホが好きなら、必見!!映画『永遠の門ゴッホの見た未来』

映画

2019年、日本公開の映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』。

画家フィンセント・ファン・ゴッホ(以下ゴッホ)の伝記映画です。

ゴッホの生涯は、あまりに有名。ゴッホが好きな方のなかには、「いまさら映画で観るほどでもないな……」とスルーした方も多いでしょう。

しかし、ゴッホ好きの方。この映画を観ないのは、もったいないです。

劇場で観た筆者は、あまりに感銘をうけ、観おわったその足でゴッホの展覧会に直行しました(笑)

この映画を観たら、ゴッホの絵をみたくなる。

そしてゴッホの絵は、これまでとはちがった感動をもたらしてくれます。

ゴッホが好きな方、ゴッホの絵をみる機会のある方は、必見!映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』、おすすめの理由3つとあわせてご紹介します。

①絵画のモデルとなった自然の美

まずご紹介するのが、「映像美」。映画のなかで出てくる、南フランスの美しい自然の風景です。

「映像美なんて、どの映画でももてはやされるし、興味ないなあ……」と思った方、ただの映像美とは、ちがいます。

まるで、「この風景を見てゴッホは絵を描いたんだ」と思ってしまう。

それもそのはず、なんとこの映画、監督自身が画家なのです。

監督はジュリアン・シュナーベル氏。

1970~1980年代、原色を多用する「新表現主義」の代表として有名な人物。世界各地で個展をひらいており、画家としての評価も高い人物です。

そんな本物の画家が、監督をした映画。

絵画を描く、という画家の視点から見た、美しい風景は必見です。

映画のロケ地は、南フランスのアルルや、オーヴェール=シュル=オワーズ。これらはゴッホが実際に暮らしていた場所です。

しかも、200年前の風景が、今もそのままのこっている場所。

作中でゴッホは、何度も、実際の風景やものを見ながら絵を描きます。たとえばこの作品たち。

  1. 「足の靴」(1888年)
  2. 「キョウチクトウのある花瓶と本」(1888年)
  3. 「ガシェ医師の肖像」(1890年)

ゴッホにくわしい方なら、見たことある作品がたくさん出てきます。作中で何度も「あ!この絵!」とハッとさせられるでしょう。

ゴッホの絵は、印象的な作品。それだけに、実際にゴッホがみた光景がどんな風景だったのか、気になりませんか?

画家の監督がえがく美しい自然の風景に、実際に絵を描くゴッホの姿。おもわず「ゴッホはこんな風景をみて絵を描いたんだ」と納得します。

そしてもちろんこの映画の魅力は、映像だけではありません。

②ただの伝記映画ではない!ゴッホから見たその生涯

「ゴッホの生涯は、耳を切ったり精神病院にはいったり……ぜんぶ知ってるよ!」という方、おどろくと思います。

なぜならこの映画、ゴッホの生涯が「ゴッホ自身の視点から」描かれるからです。

たとえばゴッホの弟、テオ・ファン・ゴッホ(以下テオ)との関係。

兄ゴッホと弟テオの関係は有名です。売れない画家だった兄を、画商のテオは一生をかけて支えました。その額、総額およそ1,800万円以上(!)。

だれがみても、ふたりの兄弟の絆は疑う余地がないでしょう。

しかし、この映画『永遠の門 ゴッホが見た未来』では違った面が描かれます。

なんと追い詰められたゴッホは、弟すら疑ってしまうのです。

時は晩年のゴッホ。10年近い画業にもかかわらず、絵は一切売れません。

しかも、絵だけでなくゴッホ自身も周囲から拒絶されます。

そんなゴッホは、自分自身に深い疑念を抱くようになります。「自分は才能のない画家なのでは?」

そして、この疑問を胸に、弟のテオにもつめ寄ります。

テオはもちろん、兄には才能があると信じています。ですから当然「兄さんには才能がある」と肯定します。

しかしその肯定のせいで、ゴッホはテオにすら疑念を抱くようになるのです。「才能があるならなぜ売れないんだ?」テオもきっと、自分には才能がないと思っているに違いない……。

ちがうとわかっていても、家族や友人のことを疑ってしまったことはないですか?

支えてくれる弟を疑ってしまうのも、追い詰められたゴッホの立場からすれば、自然のことかもしれません。

このように、ゴッホの立場からみることで、これまでとはちがった人間関係があきらかになります。

ゴッホの不器用な生き方に、おもわず共感する方も多いはず。ゴッホの姿を、新しい視点でとらえた今作、必見です。

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劇場予告とあらすじ

【公式】『永遠の門 ゴッホの見た未来』11.8公開/本予告

描かれるのは晩年のゴッホ。亡くなる前、およそ2~3年の物語。

舞台は19世紀末、フランス。パリで暮らすゴッホは、絵の売れない画家。

ある日、同じく画家のポール・ゴーギャンにすすめられ、ゴッホは南フランスのアルルに移住。

そこで出会ったアルルの黄金の麦畑に、ゴッホは心を奪われます。

そして、彼の作品は黄金期へ。

ゴッホはここに、芸術の理想郷を夢見ます。ここに友人たちを招いて、共同生活をしようと。

そしてはじまった、友人ゴーギャンとの共同生活。しかし、ゴッホとは正反対のゴーギャンは、南の島へいきたいと語る……。

③評価の高いリアルな「ゴッホ」

劇場予告をご覧になった方は、思ったかもしれません。「ゴッホが、ほんとうにゴッホ」!

まさにイメージ通りのゴッホ像です。

そうこの映画、とくに評価が高いのはゴッホ役、主演ウィレム・デフォー氏。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』にて、デフォー氏がノミネート&受賞した映画賞からもあきらかです。

  1. 第75回ベネチア国際映画祭 最優秀男優賞 受賞
  2. 第76回ゴールデングローブ賞 最優秀主演男優賞(ドラマ部門) ノミネート
  3. 第91回アカデミー賞 主演男優賞 ノミネート

黄金の麦畑に喜ぶ姿、さらには精神的に苦しむ姿など、観ているこちらまで同じ気持ちになるほどの表現力。

ゴッホの役が演技であることすら忘れます。

実際、筆者は、劇場の大画面で観たにもかかわらず、主演がデフォー氏だと一切気づきませんでした……。恐ろしいほどの没入感です。

それほどリアルな世界観を生んだ今作。

ゴッホ以外の出演者も有名な人物が多く、注目が集まっています。

注目のキャストがこちら

・フィンセント・ファン・ゴッホ役/ウィレム・デフォー(Willem Dafoe)

『スパイダーマン』(2002)、『ジョン・ウィック』(2014)etc.

・テオドルス・ファン・ゴッホ役/ルパート・フレンド(Rupert Friend)

『スターリンの葬送狂騒曲』(2017)、TVドラマ「HOMELAND」(2011~)etc.

・聖職者役/マッツ・ミケルセン(MadsMikkelsen)

『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)、『ドクター・ストレンジ』(2016)etc.

・ポール・ゴーギャン役/オスカー・アイザック(Oscar Isaac)

『エクス・マキナ』(2014)、『スター・ウォーズ』新シリーズ(2015~19)etc.

さいごに:伝記ではない、芸術家の視点

「ゴッホになる映画」。この映画のレビュー上でよくいわれる言葉です。

実際、共同脚本のルイーズ・クーゲルバーグ氏自身も、インタビューで述べています。「観客自身がゴッホになり、彼の目を通して世界を見る」(下記インタビューより抜粋)。

それほどまでに、ゴッホの視点から描くことを意識した今作。

天才でもなく、狂人でもない。一人の芸術家としてのゴッホの姿を感じることができます。

10年という短い画家としての人生。精神を病みながら、「なぜそこまでしてゴッホは絵を描いたのか?」

気になる方は、『永遠の門 ゴッホの見た未来』本編にひとつの答えがあります。

【公式】11.8公開『永遠の門 ゴッホの見た未来』/特別映像

まとめ

  1. 画家の監督だからこその映像美。実際にゴッホが絵のモデルにした風景は必見!
  2. ほかのゴッホ映画にはない。ゴッホ自身の視点で、ゴッホの生涯を描く。
  3. 主演ウィレム・デフォー氏の名演。まるで本物のゴッホ!

いかがでしたか?

ゴッホ好きの方、気になるポイントはありましたか?

2020年開催予定の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」では、ゴッホの作品も展示予定。

そして、ご紹介した映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』は、同年6月上旬にDVDのリリース・レンタルがはじまります。

ゴッホの作品をより深く楽しみたい方!ゴッホのみた世界、感じてみませんか?

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(参考文献)

森岡裕子,2019.『永遠の門 ゴッホの見た未来』.松竹株式会社.

Benno temple,小野尚子,岡本弘毅ほか,2019.『ゴッホ展 図録』.産経新聞社.

「映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』公式サイト」(最終閲覧日:2020年4月23日)

(画像引用元、CCO/パブリックドメイン)

「The Metropolitan Museum of Art」(最終閲覧日:2020年4月23日) 

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